地獄でなぜ悪い
言わずと知れた、星野源の名曲。
歌もうたえば、楽器もできる。演技もうまい。コントもやるし本も書く。
何でもできる。ラジオは中高生の心をわしづかみにする深夜の下ネタ全開。
しかも嫌味がない。そりゃあ好きになっちゃうわ、うん。
自分も福山雅治リアル中2バリバリだったとき、本当におんなじようなハマり方したもん。
しかし、圧倒的に私が支持する点で福山雅治との違いがある。
彼はまだ独身・・星野源は、一度死線をさまよう大病から生還している。
むろん、それはもう本人からすれば世間や私のようなにわかからもういちいち言われたくねえよってあるとは思うのですが、(かつて、うちの妹が超肥満体から一念発起してスーパーダイエットしてほんと、人間ひとり分くらい痩せたんだが、もうそれから5年以上経過しても未だにうちのご近所さんは妹をみるたびに「ほんと痩せたわねえ」と毎度新鮮な感想を欠かさず、ちょっと辟易w 比べちゃいかんがまあそういうこと、あるでしょうよ)これまたわたくし事全開で言うと、実父を彼が患った病「くも膜下出血」でいともあっさり亡くしてしまっているので、そこからの生還の持つ意味合いの重たさや深さを考えるとどうしても星野源を支持するにあたってこの点は私はいつも見逃せないし、考えてしまう。
「病室 夜が心を そろそろ蝕む」という強烈なフレーズからも彼がいかに病と苦しい闘いを繰り広げていたか、思うだけで胸がはりさけそうになってしまうのだが、ここにまたきっと彼自身のひきこもり系?(もっとぶっちゃけ言うと、なんか自分とおんなじにおい。人とうまく関われないけど明るい系人種)の性格も存分に反映された歌詞世界。
世界はつくりものだし、生まれながらに地獄だしそこから抜け出すことなんて出来ない。
でも彼は言うんだよね「動けない場所からきみを おなじ地獄で待つ」
なまっちょろい「生きるの苦しい、つらいやめたい」系メンヘラには本当に脳天つきささるような、まさに説法のような歌ですよ。
そしてわたしは毎回どうしてもこの歌をカラオケで歌うと感が極まりすぎて絶対涙が出てしまう。ふつうに聴いていてもこらえるのがつらい。
こんな曲は初めてである。生と死を見てきた者しか言えないことばは、突き刺さりすぎる。でもメロディーはこれまたほんとうまい具合にギャル好みに聴きやすくておしゃれで、ファンキーだからすごい人だよ星野源。
きっとまだ現世で生きててもらわないといけんって、帝釈天もスカウトをあきらめたんだろうなw(なんと勝手な予想)
彼の最近の曲だと、有名どころだと「SUN」、「時よ」、どれも何かつきぬけたかのように、達観したかのような明るさと希望に満ち溢れているけど、時折ハッとする死生観を表現するフレーズがちりばめられている。だからこの辺もカラオケでなんか元気に歌いながら号泣して踊るっていうわけのわからん状態になる。(たんにくそ酔っ払いなだけ)
あ、そんな星野源なんだけど、わたし最初は「鉄仮面テツオ」がきっかけで好きになりました。いろんな間口を広くもつ男、なんておそろしい子!